参拝
一年の感謝に神社や寺へ参拝し、
茶店に立ち寄ると
年代を感じさせるような
色あせた食事のメニューが並び
その土地ならではのメニューがどっしりと存在感を出し、
古びたカセットからは
やはり懐かしい子供の頃に聞いた正月の曲が
まもなく訪れる正月の雰囲気を漂わせている。
正月の松に黄色の菊、水引も飾られ
この店はすでに正月の用意はできたのだ。
ふと見ると
店には似つかない
商売繁盛を願って祭られたと思われる
大きなお社の屋根は、
まだ掃除前のようであるが
何とも調和しているのだから違和感はない。
年配のおばさんの笑顔と
いつでも出入りしている猫が日向ぼっこをし、
目の前には、小さな犬がすっぽりと犬用の家におさまり、ぐっすりと寝入っている。
「後期高齢者を疾に過ぎ、老衰末期高齢者だ」と
後期高齢者を過ぎたと思わせる、おじさんが
目尻にしわを寄せてゆっくりと語りだす。
「せっかく静かになったんだから起こすんでないよ」と
おばさんが勢い良く入ってきた孫娘に話しかけている。
心地良い。
とても心地良い・・
参拝はお坊さん等の正月の準備で落ち着かなかったが
この空間が十分歓迎し癒してくれる。
動物への何気ない看取りも、
近くに住む孫風の女の子の対応も
まるで平然とやってのけている。
昔ながらの生き方が、
ここには本当の意味での神仏からのご加護をいただき
真っ直ぐに残されている。
心地良い空間の体験を改めて学ぶ時間をいただき、
午後には癌だと告知され2月に手術を控え、
「転移がなかった」と
大きな苦しみから得た喜ぶ義兄との
会話の一部始終からからも、
夜学への学びの環境を整え、
今も直、姉を支えていただいている感謝が沸き起こる。
一つの幸せの空間から
次への喜びが生まれ更なる喜びが生まれる。
本当の意味での
心の支えはこのようなことなのだと
教えを授けていただけた思いである。
明日はご利用者との年越しである。
茶店のおばさんのように
何気ない雰囲気を醸し出せるよう
まずは、マネから入らせていただこう。