誰かの為に頑張れる力は自分の力へと還元する
足の痛みを訴え、「ジンジンする」と足をさすり、
終始気にされ表情のすぐれないS様ですが、
「家では自分で作ってご飯食べてるよ」
とのアセスメントD−3シートの言葉を生かし、
個別提供にて
人参の皮むきをお願いすると、
「いいよ!どんどん持っておいで!」と
背筋をピンと伸ばし、はりきって剥いて下さり
足を気にされることなく午前中を過ごして下さいました。
午後にはリハビリ機器を使用され、
「こんな良いものがあるんだね、少し足の痛みおさまったよ」と
大変満足されていました。
オンネナイ原野 田崎
足が痛いと何度も訴え、ときには痛い足を叩いている場面も見られました。
アセスメントシートを分析しカンファレンスから支援を導きました。
Sさんが訴えていた痛みは、
足の痛さも多少はありますが、
本当の痛いところは、一番奥の深い心のようでありました。
認知症になっても、全てがだめになったわけではなく、
誰かの為に役に立ち、
ほんの少しの思いやりの心をいただくだけで
人は満たされ、生きる勇気と希望が湧いてくるようであります。