観音さま
観音様は、中国からいらしたという。
私は観音さまが大好きである。
幼いときから祖母に手を引かれ、寺の行事に連れて行かれたことが心に入っているのか・・・
ホーム開設時にも、偶然にも観音さまに来ていただいた経緯がある。
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今も観音さまは、2番地の奥からいつもと変わらぬ慈愛の眼差しでホーム全体をつつみこんでいるようである。
入居相談にいらした利用者様も、重度の認知症であるが観音さまの前に吸い寄せられるように行き座り込んだまま動かない。
手をつなぎながら口ずさむ歌に利用者様もいつしか心地良い気分で歌を唄っている。
先程の混乱は、誰のこと・・・と、言わんばかりのやすらいだ表情で・・・
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そうか!観音さまの”音”は、このようなことなのか・・と、日頃、観音様の字はなぜ、”音”なのだろうとの疑問から結びつく・・
全てを”観”ながら全てをお聞きになっているのだろうと・・・
「インフルエンザの流行だからと」外出支援が怠たりがちになるが、代わりの心が弾むサービスを提供しなければと、観音さまを想いながら同時に浮かんできたのは、観音経にある難儀の一つをどのようにお前達はきりぬくのだ・・と、問いかけているようである。