介護保険利用の納得と尊厳
一般常識から考えるとあたりまえでしょうと思われることでありますが、
介護保険のご利用に関して特にホーム・施設等、現住所から居場所が変更になる場合には
特にご本人の納得が必要であります。
在宅であれば通所など拒否する場面となり意志を伝えることができます。
しかし、現実にはこの部分が曖昧なまま、お入りになるケースが多々ある状況です。
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「なぜ、ここに入ったのか!」
「なぜ、自分はここにいるんだろう」と記憶の障害から忘れても
時間をかけ短く説明を受け納得をされた場面では、
感情はどこかで残されており、
「そうだ。そうだったんだ」と、
ゆっくり穏やかにその時の感情に向き合い対応させていただくことで落ち着きを取り戻す場面もあります。
どのように建物や生活環境が立派なホームや施設であっても、
本人の意志の確認なく利用することは「生活環境が本人の為に良いから」と考えても尊厳から遠のきます。
認知症が進行しても目線があわせることができる人と、
また、目線があわせることができない人等であれば、
そこまでの心の通う時間をもつことから始めることが先決となります。
このような場面に該当せず、やむなくご利用になる方もおりますが、
多くは、介護現場におけるご本人の葛藤の時間に向き合わなければならず、
人権や尊厳を学んでいる介護者らにとっても、
ここを軽視すると全ての場面で互いに疲弊をすることとなります。
もし、自分がそのような場面であるならば、
認知症が進行していても一日の鮮明な場面で時間をかけ話を聞かせていただき判断をしたいものです。
あたりまえですが 利用前の本人・家族への説明と同意が重要であり、
すでに、認知症指導者が存在する施設等は、
ご利用に関して納得が必須の条件となっているホームや施設が多々あります。