帰省時には親の苦労話への傾聴を!
認知症の進行を遅くする薬はありますが治す薬は今の所ありません。
今、現場から思うことは、
夫婦関係においていつまでも特に仲が良いわけではなくても、
永年の苦労を共にし互いの気持ちの中に労わりあう空間を少しでも持ち備えていたご夫婦は、
特に認知症の場面では在宅において症状の出方が違うのだと感じることが多くあります。
若い頃からの一方的に解決できていない悩みを抱え続けたままの在宅介護者にとっては
苦しさの渦の中にいることだと強く思う場面があります。
めまぐるしく変化する認知症の混乱症状と同様に在宅介護者の気持ちも数日間で大きく変化します。
永年の夫婦の関係の中で鬱積したものは小さなうちに解決することや、
大人になった子供さんらにたっぷりと話を聞いていただくことも心の重荷を下ろすこととなり、
★★★
子供さんらは”心の重荷を下ろす手伝いができた”と思っていただけることで“何よりの親孝行”となりますね。
認知症になっていても相槌を打ち黙って聴いていただける話の時間は心地良い時間となり安定を導きます。
親が仲良く暮らせることの手伝いをさせていただくことが大きな徳を積む働きにもなります。
お金がなくても心の貯金ができると豊かな心に支配していただけますね。
認知症の混乱を解決する為には、本人・介護者ばかりではなく
子供さんやケママネ・事業所・精神科ソーシャルワーカー等の
ネットワークの大切さを改めて考える時間をいただいています。
そのような中で、自分も含め在宅介護者や関係者等から
ご家族・本人の苦しい症状や混乱症状の訴えを聴いていただけるDrの辛さは計り知れないものがあるのだと考えます。