介護の中心は「愛」と深い慈しみの心の「慈悲」
「理念」からどのように認知症という介護現場において
最後まで能力に応じた
自立した生活を支援させていただくことができるのか、
アルツハイマー発症から10年を迎え
前日まで食べること、
飲み込むことができたその人は翌日にはどちらも忘れ遠くを見ている。
服薬も変化は無い。
早めの受診もするが健康にも異常はない。
何とか食べていただこうと、
介護現場は危険を予測し、
とろみをつける食品を
栄養補助食品や水やジュースに入れ
食してもらおうとするが全く受け付けようとはしない。
嚥下に問題の無い場面では
不自然なものは排除し
美味しい!甘い!
と五感に働きかけ、
安全面も考慮したアイスクリームは
舌になじみ自然の力で飲みこむことができた。
これは数年前に看取らせていただいた場面でも
最後まで口から食する大きな力をいただいた。
アイスクリームの甘味からは誰もが喉の渇きを伴う。
用意された氷入りの水を
飲むことも忘れていたその人は美味しそうに「ごくごく」と飲んでいただく場面となった。
求められるのは母親のような働きのようだ。
介護の中心となるのは「愛」であり、深い慈しみの心の「慈悲」である。
そこに理念が合致する。
しかし、いつかは、
どのような介護を行っていても最後は必ず死が訪れる場面となるが、
それまでの丁寧なプロセスの積み重ねが
互いの人生を豊かにするものとなるのだろう。
理念から導いた介護目標は組織の根底に流れ「あ・うん」の呼吸で推進することができる。