脳血管性認知症の人の力を引出し心の安定を支援する。
~Ⅲ号館現場より~
書道教室が始まるとT様は「私は見学してるからね~」と
他者様が行われる姿を見学されておりました。
その後、他者様の作品を見ていて
小さな声で「私も書けるかな~」とおっしゃり、
私が「私と一緒にやりませんか?」と声かけをさせて頂きました。
「あら!そうかい!ならやりたいな!」と書道にお誘いをすることができました。
先生に麻痺があってもできそうな題字をお願いし、
最初は簡単なひらがなの『うま』と言う文字を先生と一緒に書いてから
2枚目からは
お一人で集中して書き上げられておりました。
「自分で書いてみますか」と先生の言葉にT様は
「書いて見る!」と力強いお言葉もあり、
自分のペースで集中されながら書いておりました。
書き終わりますとT様も「いや~私も書けるんだね!」と嬉しそうな表情をされておりました。
「楽しかった!またやりたいね!」とのお言葉もきかれ、次回にも繋げることが出来ました。
完成した作品は持って帰りたいとの本人様の希望もあり、送り時にお持ち帰りしております。
先日の勉強会から現場で引き出す事が出来ました。
Ⅲ号館 管理者 高橋
脳血管性認知症の人への支援です。
ご利用者の「できること・できないこと」を事前に把握することが何よりも大事と考えます。
健康で今までできたことが体に残された障がいにより
できなくなる喪失感と不安感は当事者に重たく心にのしかかることが多くあります。
ネガティブになりそうな心に、
支援を行うときは、できることから自信を回復することが大事です。
先日のひも解きシート・センター方式の活用勉強会から
結果をいただき成果を上げだしました。
多くの人等がかかわり
現場の意見を引出し、
医療や介護の人々が議論を深めつくり上げたものは
大事なものが残されてました。
研究をする人、
現場で行う人、
共に共通で求めるものは
「ご利用者にいかに成果を出すか」なのです。
試行錯誤の目には見えない現場の人づくりと
研究をされた人々との努力の融合が
シート活用前の良き導きとなっているようです。