徳とは・・

「言論の自由はあるが、

暴力の自由は無い。

本を読みなさい。言葉で届けなさい」と幼子へ届けた言葉である。

ある日、ある子どもが登校拒否から、

デイサービスへ登校?となった。

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本人と話をすると、

「自分は困ってる。直ぐ手を出してしまう。」言う。

周りのざわめきから、

悶々と心の中で葛藤しているが、

たまりかねた時に、

言葉に出せず暴力になるのらしい。

母親もどのように対応したら良いのか困惑している様子であり、

家中が闇に包まれている様子であった。

子供の痛みは人間的成長を遂げさせていただけるとあるが、

母親にとっては痛さは産みの苦しみより辛いものである。

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小さな体で

手を膝に当て神妙な面持ちで

どうして良いかわからない様子であり、

話を聴かせてもらうだけで、息がつまるように苦しさが伝わってきた。

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デイサービスでは、

朝の会で、みなさんに話を聞いていただき快く承諾をいただいた。

誰もが幼子の姿に

真剣に顔を上げ耳を傾け、元校長のご婦人も

優しい眼差しとうなづきをいただいた。

幼子は、とても良い表情で黙々と、

高齢者に喜んでいただこうと

本人は精いっぱい気を使いあちこちと気を配っていた。

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お年寄りは、

考え

言葉を選び

それぞれ助言を届け

幼子は素直に耳を傾けている。

違った見方をすると、

生まれて数年でこのような徳をいただけたのである。

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デイサービスに

小学生が来て

先生が来て

立場の違う人々が介護を必要となった人々と

交流をする場面では今までの環境とまるで違い

今まで必要とした多くの言葉もいらず

先生の顔もいらず

生徒の顔もいらず素になる自分がそこに存在する。

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ある県では、

学校に高齢者がお手伝いで参加しているところもある。

グループホームに運営推進会議があるように

教育の場にもそのような風通しが必要なのかと

幼子の悩む顔を見ながら

何とかできないものかとPTA当時の母親等と悩んだ当時の思いが浮かんできた。