きよちゃんは言葉も多くなり脳がどんどん活性化しています。
入居当時、食事も摂れず、水分も摂れず、ただ片隅に丸くなっていたきよちゃん。
氏名を呼んでも見向きもせず、
きよちゃんと呼ぶと、すーっと顔が上がりわずかな表情を見せていたきよちゃん。
「ちゃん付けは、だめですよ!」と頭が硬く認知症が理解できなかった10年前のひとむかし、
ひとり一人の、その人の表情を読み取っても捨てていた時代、
今、認知症介護は理屈から、その人自身が表す表情、動作、過去からの情報がエビデンスとなり、
裏付けされて説明のつく介護と変化しています。
センター方式からの日々の記録は本人の言葉と介護者の気づきから自然と介護の組み立てが頭で理解し、介護の意味づけが瞬時にできるようになります。
学びは時間がかかっても、行き当たりばったりの介護と違いリスクの回避や介護者の精神的疲労を半減させていただけます。
きよちゃんは単語が、どんどんつながりトイレで一人で排泄できるようになりました。
「きよちゃん、うれしいよ!」とSスタッフが喜びの涙と共に抱きつく姿と、きよちゃんの安らいだ微笑みが美しく光り輝いていました。
縁のあった人々の最終章が穏やかな空間で、素敵な花が咲くように必死に取り組む介護者は、
お医者様よりも看護婦様よりも、誰よりも尊い仕事に就いていることを介護者自身が気づき発信することも大事な事ですね。