金子みすず

金のお好きな王様

 

 

 

 

 

 

 

 

金のお好きな王さまの
御殿は金になりました。

 

 

 

 

 

 

 

王さまのお手が触れるとき、
薔薇も残らず金でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王さまのお手が抱くときに、
おひめさまさへ、金でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王さまのお手のとどくとこ、
世界はみんな金でした。

 

 

 

 

 

 

 

けれども、けれども、
その時に

空はやっぱり青でした。

 

 

 

 

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遠くを見るよりよりも、大事なものはすぐ近くにあるような気がしてきます。

金子みすずの詩は、さまざまな心を原点に戻してくれます。