春
いよいよ、厳しい冬も過ぎ
北海道は、新しい世界の始まりだ。
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四季があるから冬を耐え、
待ち焦がれているみんなの期待に添うように海明けも早く、
カニも食卓へ並ぶまでとはいかないが
店先に存在感を示し
一番先の売れ残りを待つのを当然とする
友人等との会話では、
『半額になって食べたよ。今年のカニはおいしいわー!』
『あの店、大丈夫だった・・うん、生きがよかった』と、
やっぱり春の訪れの会話である。
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松の木のてっぺんより少し下にはカラスも巣作りを始め
畑にはフキノトウがつぼみを持ち
秋には育ちすぎ切った、ほうの木の根元には
ひっそりと福寿草が
『まだ、咲いてていいの』と肩を寄せ合い小声で話し込んでいるようだ。
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春は、いろいろなものが復活しワクワク感を連れてやってくる。
春を忘れかけた自分も、
せめて笑顔で声のトーンも明るく一日を過ごしてみよう。