★彼岸供養から(それぞれの全ての宗教が唱えられました)

エーデルワイスには、建築当時の混乱を防止するために古い馴染みのあるものと思っておりましたら、ご縁があり観音様にいらしていただきました。

お坊様は、彼岸供養で多忙のため利用者様と皆さんで行うことにしました。

おごそかに幕は開いたのですが、いつもお囃子の好きなK氏が「ほいほい、こりや・こりや」と、相づちを入れてくれるのです。

皆さんで笑みを浮かべながらの楽しい供養が始まりました。

 般若心経ではK氏がお元気だった頃、唱えていたと見えて一緒にお上げする事ができました。途中お経が途絶え何気なく横を見ると入れ歯が前に飛び出し落ちるのではないかと、はらはらする場面がありましたが、意外なところで入れ歯が合わないことに気づき後に歯医者の調整となりました。K氏は入れ歯と調整をしながらの供養となりました。

アルツハイマーと診断され1分前のことも忘れるようになっていたS子さんは、最近特に感情が豊かになってきています。ディサービスから遊びに来た利用者さんの話を聞いているうちに涙を流すなど驚いていましたら、お参りの場面でも涙ながらのご供養となりました。自室へ戻るときには「ありがとうございました。」とその場に応じた挨拶をしていただくことが出来ました。

お経は、すごい力がありました。

 脳血管性認知症を患うM氏は、トイレ後「施設長に、もっていってくれ」と、ちり紙を渡してくれました。「あ、施設長に渡すのですね。かしこまりました」と心得た、あやめスタッフが「Mさんからお預かりいたしました」と届けていただきました。

彼の頭の中には、ちり紙で包んだお布施が入っているのでしょう。

そこで、大根役者となります。「ありがとうございます。それでは遠慮なくいただきますね。まだ、修行途中なのにすみません。ありがとうございました。」と伝えると、「ゆっくりしていってください。一杯飲んでいってください」と、M氏から充分なおもてなしをいただきました。

参拝の最後は、エーデルワイス名物の大笑いで幕を閉じました。

観音様もさぞや驚いたことでしょう。

いえいえ、エーデルワイスの観音様も皆さんと一緒に笑っていたはずです。

施設長