介護は深層心理の奥深いところまで入る素晴らしい仕事です。

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牧場に勤務していたNスタッフの努力は目を見張るものがあり、現場での直接指導をぐんぐんと吸い込むように吸収しております。

 

 

エーデルワイスでは毎朝10時からの“動の時間”が始まります。

 

まず軽い体操と、大好きな歌を1〜2曲歌います。

 

 

歌には強い力があります。

 

 

沈んでいる表情のAさんも歌を歌い始めるとみるみる表情が変わります。

 

 

 

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表情がいきいきと変わると声に張りが出てきます。自室で仏様のお世話をしていたMさんが、様子を見ながらそっと遠慮がちに参加し、

 

 

その後ろからは踊りの上手なS子さんが名取りを思い出させる手つきで踊りながらお部屋から出てきます。

 

 

 

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その日の気分が強いMさんには、一人が横にはりつき支援をおこないます。Mさんも当時の時代を思い出すと効き手が動き“それそれ”と、お囃子が出てきます。

 

 

 

 

動の時間はみんなの心を一つにします。

 

 

10分ほどで活性化した“動いた心”を安定していただく為に昔話の時間に入ります。

 

 

 

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ゆっくり、ゆっくり語る“語り口”にお年寄りは聞き漏らしては大変と体操後に動いた心が、話の筋が進む毎に集中して食い入るように聴いています。

 

 

元気なKさんもテンポが違うせいなのか、

 

 

 

いつもの「はい!はい!」という大声相づちも出ません。

 

 

 

 

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顔も真剣になり、話のストーリーを語り手と共につくりだしています。

 

 

 

 

男の人の語りは音域も落ち着きを持ったものであり、共に楽しむ時間を築きあげた利用者との間には言葉にならない満たされたものが辺りを包みます。

 

 

 

 

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女性が多い高齢者施設には男性は欠かせない存在なのです。

 

 

 

同性介護と言われておりますが、その言葉だけにとらわれず個別の利用者の言葉にならない内的なものを探りながらサービスを提供することが大事なのです。

 

 

 

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女性で、女性から支援を受けたい人、女性で男性から支援を受けたい人、

 

 

 

男性でやはり若い女性から支援を受けたい人、

 

 

 

また在宅では今まで生きがいだった台所だけは絶対ご主人にでも入られたくない人、

 

 

 

 

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考えは様々です。教科書通りにはいきません。

 

 

その人が何を求めているのか、苦痛はないのか、

 

 

苦痛を無くすように求めていくと、その人の深層心理の奥深いところまで到達します。

 

 

 

介護は、その人の人生を尊重できる素晴らしい仕事です。

 

 

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